キャリアアップ助成金は、非正規雇用労働者の正社員化や処遇改善を目的とした代表的な雇用関係助成金であり、厚生労働省が所管しています。令和7年度(2025年度)の制度改正により、「重点支援対象者」という区分が新たに設けられました。この改正は、より支援の必要性が高い労働者に対して重点的に助成を行うための見直しであり、助成額や支給要件に影響する重要なポイントとなっています。
重点支援対象者とは、有期雇用労働者などを正社員へ転換する際に、特に政策的配慮が必要と判断される労働者のことを指します。従来は一律に近い形で支給されていた助成金ですが、令和7年度からは対象者の属性に応じて支援の強弱をつける仕組みへと改められました。これにより、企業側は対象者が重点支援対象者に該当するかどうかを事前に確認することが、より重要になっています。
受給額については➔https://jyoseikin-jyohoukyoku.jp/subsidy/regularemployee/
重点支援対象者は、a区分・b区分・c区分の3つに整理されています。
| 区分 | 対象者の内容 | 主な要件 |
|---|---|---|
| a区分 | 長期の有期雇用労働者 | 同一事業所で通算3年以上有期雇用として継続勤務している者 |
| b区分 | 正規雇用経験が少ない有期雇用労働者 | 過去5年間の正規雇用期間が1年以下、かつ直近1年間に正規雇用歴がない者 |
| c区分 | 社会的配慮対象者および訓練修了者 | 派遣労働者の直接雇用、母子家庭の母等、または人材開発支援助成金の特定訓練修了者 |
a区分は、同一事業所で通算3年以上有期雇用として働いている労働者が対象です。長期間にわたり非正規の立場で勤務している場合、雇用の安定化を図る必要性が高いと判断され、この区分に該当します。契約更新を繰り返しているケースも含まれるため、雇用期間の通算方法を正確に確認することが重要です。
b区分は、正規雇用としての就業経験が少ない労働者が対象です。過去5年間における正規雇用期間が1年以下であり、かつ直近1年間に正規雇用歴がないことが要件となります。若年層や長期間非正規雇用で働いてきた方などが該当することが多く、安定雇用への移行を強く後押しする趣旨があります。
c区分は、社会的配慮が必要な対象者を含む区分です。派遣労働者を派遣先企業が直接雇用するケースや、母子家庭の母などの特定求職者に該当する場合が含まれます。さらに、令和7年度の改正により、「人材開発支援助成金における特定の訓練を修了した有期雇用労働者」もこの区分に明確に位置づけられました。これは、企業内で能力開発を行い、その成果として正社員化する取り組みを積極的に評価する制度設計となっています。
このように、重点支援対象者制度は単なる形式的な区分ではなく、労働者のこれまでの雇用状況や訓練履歴などを踏まえて判断されます。該当の有無によって助成額が変動するため、雇用契約書や職歴、訓練修了証などの資料を事前に整理しておくことが、適正な申請につながります。
令和7年度の改正により、キャリアアップ助成金はより「支援の必要性」に着目した制度へと進化しました。正社員化を検討している企業は、自社の対象労働者がa〜cのどの区分に該当するのかを正確に把握し、計画的に制度を活用することが重要です。
【参考】
(厚生労働省):キャリアアップ助成金支給要領(令和7年版)
(厚生労働省):キャリアアップ助成金(障害者正社員化コース以外)Q&A
・どの助成金が受給できるかチェック→助成金チェックシート
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