
近年、多くの企業でDX(デジタルトランスフォーメーション)が経営課題として注目されています。人手不足や生産性向上のために、ITツールの導入や業務プロセスの見直しを進めたいと考える事業主も多いでしょう。しかし、DXには一定のコストがかかるため、導入をためらってしまうケースも少なくありません。そこで活用したいのが「助成金」です。ここでは、DX推進に活用できる代表的な助成金をご紹介します。
1.事業改善のための設備投資に
<業務改善助成金>
業務改善助成金は、生産性向上を目的とした設備投資などを行い、あわせて従業員の賃金を引き上げた場合に支給される助成金です。例えば、クラウドシステムや自動化ツールの導入による業務効率化も対象となるケースがあります。
助成額は1事業場あたり最大600万円(令和7年度時点)で、導入費用の一部が助成されます。
2.人材育成を伴うDX推進に
<人材開発支援助成金(人材育成支援コース/リスキリング支援コース)>
DXの実現にはシステム導入だけでなく、従業員が新しいツールや技術を使いこなすための教育も重要です。
・人材育成支援コースでは、外部研修やOJTなどの実施費用を助成。ITスキル向上やデジタルツールの活用教育などが対象です。
・リスキリング支援コースは、企業内で新しい分野への人材転換を進めるための訓練に特化しており、デジタル技術を活用した業務への職種転換などに活用できます。
助成額は賃金助成(1時間あたり800円〜1,000円)や経費助成(最大85%)が支給されます。
3.高齢者・多様な人材の活躍に
<65歳超雇用推進助成金>
高齢者が長く働き続けられる職場づくりを支援する制度です。DXそのものを目的とした助成ではありませんが、多様な人材が働ける環境整備の一環として活用できます。
・65歳超継続雇用促進コース:定年引上げ・定年廃止、または66歳以上の継続雇用制度導入に対して助成(最大160万円)。
・高年齢者評価制度等雇用管理改善コース:高齢者が働きやすい評価・処遇制度の整備などに助成(最大50万円)。
・高年齢者無期雇用転換コース:50歳以上の有期雇用者を無期雇用に転換し、65歳以上の継続雇用を確保した場合に助成(1人30万円、最大10人)。
4.助成金活用のポイント
・事前の計画・申請が必須
多くの助成金は、機器購入や契約前に申請が必要です。導入後では申請できないケースがほとんどなので注意しましょう。
・専門家への相談
DX関連の投資は幅広いため、対象となるかどうかの判断は難しいことがあります。社会保険労務士や専門のコンサルタントに相談するとスムーズです。
まとめ
DXは企業の競争力を高める大きなチャンスですが、費用面でのハードルもあります。こうした助成金を上手に活用すれば、負担を抑えつつ、効率的にDXを進めることが可能です。
「どの助成金が使えるか?」を早めに確認し、申請スケジュールを立てることが成功の第一歩です。
・どの助成金が受給できるかチェック→助成金チェックシート
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